耐水性能の付いたiPhone7以降の機種で、「防水性能があるのに、水がかかっただけでiPhoneが壊れた!」といった声が聞かれます。実際に、分解して中を見てみると浸水した形跡や腐食が見られる事が多くあります。
でも、実はiPhoneは「防水性能」があるのではなく、Appleの公式の説明によると「耐水性能」があるという表記になっていて、iPhone7~XR、SE(第2世代)では、IP67等級の深さ1m、最長30分に適合する耐水性で、新しい機種になるほど、より深い水深まで耐えられるように改良はされて、最新のiPhone12~13シリーズでは、深さ6m、最長30分というIP68等級に適合する耐水性があるとされています。
つまり、我々が思っている「水に浸けても大丈夫」という完全防水ではなく、元々それなりの水圧に対して数十分間耐えられるという耐水性しかないという事です。
実際に、iPhoneを分解して中を見た事のある人は少ないでしょうが、本体と画面の隙間を埋める用に粘着テープの様なものが貼ってあり、液体や粉塵が中まで入りにくい様に加工されています。これが防水性を保つ仕組みなのです。
これはiPhone12や13といった最新機種でも仕組み自体は同じなので、通常の使用によって耐水性が低下する可能性もあり、永続的に耐水性が維持されるものではないとAppleの公式の説明にも書いてあります。
そのため、入浴や遊泳、水圧の高いシャワーをかけたり、水没させる以外にも、湿気の高いサウナの様な場所での使用、衝撃や分解でも耐水粘着テープが弱ってしまい、浸水による損傷につながるため注意が必要です。
水がかかってiPhoneが壊れた、動かなくなったといった方のiPhoneは、経年劣化などでこの粘着テープがボロボロになっていたり、剥がれやすくなって耐水性が落ちてしまって、中に浸水してしまっているようです。
ですので、完全防水と耐水性能の認識を誤解して、水に直接濡れたり、直接濡れなくても湿気の多いお風呂などの環境での使用は控え、水は大敵な精密機械という認識で水に濡れたら、すぐに柔らかい布などで水分を拭き取って、丁寧に使用しましょう。
水没や水濡れによる損傷は、Appleの保証期間内であっても、無料修理の対象外となってしまうため、本当にiPhoneの耐水性を過信しないで、水に濡れる危険がある場所では気をつけましょう!